2008年 05月 19日
ヘンリーダーガーって人。 |
どもザッキー部長です。
さるマンでお馴染みの編集家・竹熊健太郎氏のブログ、たけくまメモでも紹介されてたヘンリーダーガーの映画「非現実の王国で」ってのを随分と前に見てきた。今頃感想。
僕がダーガーのことを知ったのは、斎藤環って精神科医の『戦闘美少女の精神分析』という本。その本の中で2ページ目からダーガーが紹介されてる。彼が60年間を費やして自分のために書いた「非現実の王国で」という15000ページを超える世界最長の小説。そこには世界を救おうとする7人の少女が出てくる。その物語の挿絵として数百枚描かれた絵にとくかく目を奪われる。ペニスをもった少女、ヴィヴィアンガールズと名づけられた戦う少女達、虐殺される少女達…。
斎藤環氏は、シカゴの病院で73年に84歳で亡くなったダーガーが描いた「戦う少女」と、エヴァやナウシカに代表される日本固有の「戦闘美少女」との、時系列的には繋がっていない二つの現象の合致点を参照し、オタクのセクシュアリティについてまとめている。
その本の内容は非常に難しく全てを理解したとも到底思えないが、ただそこに載っていたダーガーが描いた絵は白黒にも関らず強烈に僕の印象に残っていた。現物は鮮やかな色彩で彩られ、その構図も圧倒的なものが多い。
ダーガーの絵の特徴は、広告などの切れ端をトレースし、それを修正。
それを何度も何度も継ぎはぎして出来上がるコラージュだということ。
↑の上の漫画をトレース(右)。それを修正(左)。
絵がかけないダーガーはお気に入りの広告を何度もコピペしたり、
元素材を拡大縮小したりして完成させている。
だから同じ構図の人物が同じ絵どころか別の絵にも沢山でてくる。
例えば中央の赤い女の子と青い女の子。
元絵は同じだが、こんな風に変わる。
また、この絵↑の左隅に半分だけ映ってる女の子を反転させたのがこれ↓
右にも小さくイチゴを持った同じ構図の子がいたり。
またビーチパラソルを必死で抑える子達のパラソルと、
その横の羽の生えた女の子の羽との色が同じで面白い。
暗雲が迫ってくる感じもとても好きだ。
その絵が今回のダーガーのドキュメンタリー映画の中で
アニメーションになって動くというので見に行ってきた。
→こことここでちょっと見れる。
とにかく色が綺麗なのと動きがモンティパイソンのOPや、
ビートルズのイエローサブマリンみたいでかなり感動した。
映画の内容は斎藤環氏の指摘と違ったりして、
どちらを取るかは人によりけりだと思いますが、
この人の絵はちょっと見たほうがよいと思います。
しかもアニメーションになってるのでこの機会に。
画集は結構売ってるので、是非。僕も買った。
あと映画もまだやってます。
「非現実の王国で」
渋谷シネマライズにて6月20日(金)まで上映
あと鈴木義司。
これ、絨毯に隠れて逃げようとするの図らしい。
ふいた。
さるマンでお馴染みの編集家・竹熊健太郎氏のブログ、たけくまメモでも紹介されてたヘンリーダーガーの映画「非現実の王国で」ってのを随分と前に見てきた。今頃感想。
僕がダーガーのことを知ったのは、斎藤環って精神科医の『戦闘美少女の精神分析』という本。その本の中で2ページ目からダーガーが紹介されてる。彼が60年間を費やして自分のために書いた「非現実の王国で」という15000ページを超える世界最長の小説。そこには世界を救おうとする7人の少女が出てくる。その物語の挿絵として数百枚描かれた絵にとくかく目を奪われる。ペニスをもった少女、ヴィヴィアンガールズと名づけられた戦う少女達、虐殺される少女達…。
斎藤環氏は、シカゴの病院で73年に84歳で亡くなったダーガーが描いた「戦う少女」と、エヴァやナウシカに代表される日本固有の「戦闘美少女」との、時系列的には繋がっていない二つの現象の合致点を参照し、オタクのセクシュアリティについてまとめている。
その本の内容は非常に難しく全てを理解したとも到底思えないが、ただそこに載っていたダーガーが描いた絵は白黒にも関らず強烈に僕の印象に残っていた。現物は鮮やかな色彩で彩られ、その構図も圧倒的なものが多い。
ダーガーの絵の特徴は、広告などの切れ端をトレースし、それを修正。
それを何度も何度も継ぎはぎして出来上がるコラージュだということ。
↑の上の漫画をトレース(右)。それを修正(左)。
絵がかけないダーガーはお気に入りの広告を何度もコピペしたり、
元素材を拡大縮小したりして完成させている。
だから同じ構図の人物が同じ絵どころか別の絵にも沢山でてくる。
例えば中央の赤い女の子と青い女の子。
元絵は同じだが、こんな風に変わる。
また、この絵↑の左隅に半分だけ映ってる女の子を反転させたのがこれ↓
右にも小さくイチゴを持った同じ構図の子がいたり。
またビーチパラソルを必死で抑える子達のパラソルと、
その横の羽の生えた女の子の羽との色が同じで面白い。
暗雲が迫ってくる感じもとても好きだ。
その絵が今回のダーガーのドキュメンタリー映画の中で
アニメーションになって動くというので見に行ってきた。
→こことここでちょっと見れる。
とにかく色が綺麗なのと動きがモンティパイソンのOPや、
ビートルズのイエローサブマリンみたいでかなり感動した。
映画の内容は斎藤環氏の指摘と違ったりして、
どちらを取るかは人によりけりだと思いますが、
この人の絵はちょっと見たほうがよいと思います。
しかもアニメーションになってるのでこの機会に。
画集は結構売ってるので、是非。僕も買った。
あと映画もまだやってます。
「非現実の王国で」
渋谷シネマライズにて6月20日(金)まで上映
あと鈴木義司。
これ、絨毯に隠れて逃げようとするの図らしい。
ふいた。
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by zakbee
| 2008-05-19 02:05
| 2014年以前